心と身体の健康法としてすっかり定着したヨガ。ヨガにはポーズをとって身体を動かす運動的な側面と、瞑想や哲学などの精神的な側面があります。
健康の維持増進には運動や瞑想・マインドフルネスが大切なのはもちろん、日々の食事にも気をつけたいところです。そこで、ヨガと食事の関係、ヨガ的な食事について解説していきたいと思います。
●ヨガをする前の食事
ヨガを行うときは「空腹時」が原則です。ヨガに限らず、胃に食べ物が入っている状態での運動は避けましょう。消化に必要なエネルギーや血流を運動に取られてしまうと消化不良を起こしてしまいます。また、消化しながらではうまく代謝が上がらずせっかく運動しても効率が悪いものになります。
しかし、お腹が空きすぎてフラフラ、という状態も良くありません。そういうときには身体が落ち着く程度の軽い食事であればとってもかまいませんが、食事はなるべくヨガをする2時間前までにすませておきましょう。
●ヨガをした後の食事
ヨガをした後は代謝も上がり、栄養の吸収も良い状態です。運動後ですからお腹も空いていますので食事もより美味しく感じます。
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そこで一気にバクバクと食べてしまうと食べ過ぎやカロリーの摂りすぎになってしまい、太ってしまう危険性が高いです。体重を増やしたい、身体を大きくしたい、という方以外は、ヨガや運動直後の食事は避けてください。ヨガの後は1~2時間程度空けてから食事をするようにしましょう。
ただ、疲労回復や筋肉の回復に必要なプロテイン(タンパク質)やアミノ酸、ビタミンCやクエン酸などの栄養素を補給をしておくのはオススメです。
●ヨガ的な食事って?
ヨガは健康=菜食のイメージがあるかもしれませんが、実際には特に食事の制限や禁止事項はありません。ヨガはインド発祥ですので牛を食べないことや菜食主義であるというインドの文化としての宗教的側面はありますが、それが決まりというわけではありません。
ヨガには「八支則」という段階的な部門があり、その中に「ヤマ」という「禁戒」を定めたものがあります。その「禁戒」の中に「非暴力」があげられているため、それを根拠に動物を食べないベジタリアンやヴィーガンであることを選択している方もいらっしゃいます。しかし、戒律の範囲の解釈や選択は人それぞれの自由です。
ヨガの視点で大切なのは「適切であること」です。あなたの身体が必要とするものを必要な時に必要なだけ食べること。適切な食材、適切な量、適切な調理法、適切なタイミング。それらを自分で見極めて選択することが求められています。
そして食事の「質」も大切な要素のひとつです。ヨガとも関係の深いインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」では、完成してから2時間以上経過した料理は料理としての寿命が終わっていると考えます。古いものやエネルギーの落ちたものを食べると心身ともに負担がかかります。また、熱すぎる・辛すぎるなど刺激が強すぎるものも心身への悪影響があります。旬の食材や新鮮で栄養価が高いもの、エネルギーに満ちて美味しいものをバランス良く、出来立ての食事を感謝を持って心静かによく味わって食べるようにしましょう。
ヨガの教典のひとつ「バガヴァッドギーター」には「多く食べる者も、全く食べない者も、ヨーギーになれない」とあります。また同じくヨガの教典である「ハタヨーガプラディーピカー」にはハタヨーガを崩すものとして「過食」があげられています。現代人も知らず知らず「食べ過ぎ」になってしまっていることが多いのではないでしょうか。
日本にも「腹八分目に医者いらず」という言葉がありますし、前述の「ハタヨーガプラディーピカー」でも胃の4分の1を空けておくように書かれています(食べ物が2分の1、水が4分の1、空気が4分の1)。食べ過ぎは肥満や高コレステロール、動脈硬化や糖尿病などさまざまな病気を引き起こす危険性があります。一般的なケースでは食べ過ぎのほうが多いとは思いますが、忙しすぎて食事が取れず栄養不良になってしまうケースや、過剰なダイエットから摂食障害になってしまうケースなどもあります。食べ過ぎも食べなさ過ぎもどちらも健康を害する危険なものです。
私たちは「食べたもの」でできています。食事は心身の健康の土台でもあります。運動や瞑想とともに、ぜひ日々の食生活を見つめ、ヨガ的な純粋でバランスの良い食事を意識してみてくださいね。
ハッピーハーモニーはプライベート・パーソナルレッスン専門のヨガスタジオです。スタジオは大阪の天満にあります。
レッスンではヨガのポーズや瞑想だけでなく、必要に応じてアーユルヴェーダや薬膳に基づいた講義や食事のアドバイスなども行なっています。
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